山上の光と風を感じる、風の教会
安藤忠雄氏の初期作品

「光の教会」(大阪)「水の教会」(北海道)とあわせ、安藤忠雄氏設計の「教会三部作」と呼ばれる建築物のひとつ。世界的建築家 安藤忠雄氏の最初の教会建築が、この「風の教会」です。

1986年竣工ののち、20年間に渡りホテルのチャペルとして運用されていましたが、併設するホテルが2007年に営業を終了。その後10年あまりの間、閉鎖されていました。

周辺施設が解体される中、風の教会だけは建築作品として保存され2018年に改修。現在は六甲スカイヴィラの管理施設となり、ウェディングやアートイベントで活用されています。

安藤忠雄氏の最初の教会建築

安藤氏は1941年大阪生まれ。プロボクサーから独学で建築を学び建築家になった、異色の経歴の持ち主です。

1976年に設計した「住吉の長屋」(大阪市住吉区)が評価され、1979年に日本建築学会賞を受賞。以降、コンクリート打ち放ちと、幾何学的なフォルムが特徴の独自の建築を、日本だけでなく世界中で展開しています。

現在、安藤氏といえば美術館や博物館などの公共建築が有名ですが、1990年以前は教会や寺院などの中小規模設計を多く手がけていました。

安藤氏にとって最初の教会建築が、六甲山に立つこの「風の教会」です。

風の教会 内観

南仏プロヴァンス「セナンク教会」

安藤氏の考える「教会建築」の原型には、南仏プロヴァンスのセナンクに立つ「ノートル・ダム・ドゥ・セナンク修道院」があるといいます。

セナンク修道院は1148年に建築されたロマネスク方式のカトリック教会。「フランスで一番美しい村」といわれるヴォクリューズ県ゴルドの、辺鄙な谷あいの立地に建ちます。

厳格な戒律をもつシトー会に属すこの修道院で、宗教者たちは周囲の世俗と距離を置き、精神を高めました。

セナンク教会写真 ノートル・ダム・ドゥ・セナンク修道院

セナンク修道院を訪れた安藤氏は、荒削りの石材の壁の、小さな窓から差し込む光こそが、空間の聖性演出のなによりの主役であると考えました。
六甲山頂に位置する「風の教会」を手がけることになった際、安藤氏はこの空間体験の実現を試みたのです。

風の教会へといざなうコロネード

光を主役にした神聖な空間

そうして1986年に完成したのが「風の教会」です。立地から「六甲の教会」とも呼ばれています。

礼拝堂に参列者を導く、擦りガラスの40mのコロネード - 柱廊。 聖堂は、壁と天井のすきまからさしこむ光が立体的な表情を与え、神聖な美の世界を生み出します。

モルタルの壁にあいたスリットから光がさしこむ 祭壇上部から差し込む光

2007年に併設するホテルが営業を終了。その後10年近く自然の中で捨て置かれた「風の教会」でしたが、2018年、修復作業を経て息を吹き替えしました。

その過程が、監督 小田香氏・撮影 三浦博之氏の手によって12分間の映像作品になり、公開されています。

撮影:三浦博之、小田香、シネ・ヌーヴォ
編集/監督:小田香
製作:有限会社建隆マネジメント
   一般社団法人KMGソーシャルサービス

観覧は「六甲ミーツ・アート」期間中がおすすめ

改修後は、ウェディングチャペルとして利用される他にも、アートイベント「六甲ミーツ・アート」の展示会場として活用されており、現代美術とともに安藤建築を鑑賞することができます。

また不定期にはなりますが、建築見学ツアーで公開される機会もあります。観覧希望の方は是非チェックください。予定は当施設SNSやブログなどでもお知らせいたします。

「特別公開まで待ちきれない」「貸切利用したい」という方は、お気軽に六甲スカイヴィラまでご相談ください。

六甲スカイヴィラ1階売店では、風の教会のクリアファイル・ポストカードなど、オリジナル商品を販売しています。お立ち寄りの際はぜひご利用ください。

  • ポストカード

    ポストカード

  • マグネット

    マグネット

  • クリアファイル

    クリアファイル

  • 神戸ウォーターレモネード

    神戸ウォーターレモネード

  • 神戸ウォーター六甲布引の水

    神戸ウォーター六甲布引の水

※ 出典:「安藤忠雄 建築家と建築作品」安藤忠雄 松葉一清 共著/鹿島出版会(2017)

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